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2015年1月 3日 (土)

新年おめでとうございます-第189回通常国会に向けて-2015.1.3

新年おめでとうございます。

 昨年、2014年(平成26年)は激動の1年でした。
 公認心理師法案が第186回通常国会において、会期末直前の6月16日に衆議院に提出され、閉会中審査というこで次の臨時国会にバトンタッチがなされました。

 そして迎えた第187回臨時国会では、いよいよ本法案が審議され可決成立かと期待をしていたところ、「国会には魔物が棲む」という伝説を目の当たりにする事になりました。

 それは2014年11月21日朝に閣議決定がなされ、午後には本会議で解散詔書が朗読され、衆議院が解散するというものでした。解散により公認心理師法案は審議未了による廃案となりました。

 総選挙の結果は自民公明両党の与党体制が続くものとなりました。
 公認心理師法案は与野党の共同による議員立法であるため、先の国会で提出に尽力された議員のみなさまが今後どのように動いていかれるかが鍵になります。

 ここで我々心理職は公認心理師法案が審議されて何らかの問題があり廃案となったのではなく、解散総選挙という不可抗力による審議未了の廃案であり、第189回通常国会に再提出し、成立をさせることが出来るということを再度認識する必要があります。

 一部で無責任な風説が流されています。

  • 公認心理師は学部卒で資格取得できる質の低い資格だ。
  • 医師の指示が全てを覆い、指示が無ければ何もできない不自由な資格だ。

 この上記2点が様々な意図を持って流されているようです。

 それは誤りであって、メインは修士修了者が受験資格であることです。

 これはなぜそのように言えるかというと、法律の法文というのは一種のアルゴリズムがあって、重要なこともしくは必要不可欠なことをから順番に並べる規則に基づいて作られているという性質から言えるのです。

 受験資格では一番最初の(一)が院卒者、(二)が学卒者でそれも、省令で定める施設で省令で定める期間以上、本法案に規定された業務に従事した者という限定的かつ難度の高いものであり、例外的な(おそらくは公務員心理職が該当)措置であり、(三)前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能については海外の大学院修了者を想定しているものであると考えるのが妥当だと思われます。

   また、医師の指示も法案では「心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を」ときちんと限定的なかつ常識的なものとなっていることを再度認識していただければ幸いに存じます。

 何れにせよ流言蜚語に惑わされないように今一度、公認心理師法案をご確認下さいますようお願い申し上げます。

 何かと議論が多いこの二点ですが今一度、公認心理師法案の本文をお読み下さることを筆者としては切望いたしております。紙ベースの資料は都道府県の臨床心理士会などで配布されていることと思います。

 是非、第189回通常国会で公認心理師法案が成立出来ますように皆様のご助力を頂けますようお願い申し上げます。

 そして、必要な時期になりましたら各党国会議員の先生方へ陳情をお願いするかと存じますが、礼を失せぬようFAXの送りつけなどではなく、事務所宛にあらかじめアポイントを取ったうえで陳情書をお出し下さいますよう重ねてお願いを申し上げます。

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コメント

あけましておめでとうございます。

よりよい臨床心理職の国家資格ができることを切に願う者の一人です。
無責任な風説を流さないこと、流言飛語に惑わされないこと、大事なことだと思います。

そうならないためには、事実と推測(可能なら確度も)を区別することが不可欠ですよね。

たとえば、公認心理師法では受験資格の「メインは修士修了者が受験資格であることです。」で、「これはなぜそのように言えるかというと、法律の法文というのは一種のアルゴリズムがあって、重要なこともしくは必要不可欠なことをから順番に並べる規則に基づいて作られているという性質から言えるのです。 」とのこと。鉤括弧の後者は一般的には正です。しかし、それゆえ前者が正であると言えるか。実情はそうではないのです。
看護師の場合をみてみましょう。保健師・助産師・看護師法第21条です。

第二十一条  看護師国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、これを受けることができない。
一  文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(短期大学を除く。第四号において同じ。)において看護師になるのに必要な学科を修めて卒業した者
二  文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校において三年以上看護師になるのに必要な学科を修めた者
三  文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、厚生労働大臣の指定した看護師養成所を卒業した者
四  免許を得た後三年以上業務に従事している准看護師又は学校教育法 に基づく高等学校若しくは中等教育学校を卒業している准看護師で前三号に規定する大学、学校又は養成所において二年以上修業したもの
五  外国の第五条に規定する業務に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国において看護師免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が第一号から第三号までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの

では、メインルートは一?そうではありません。合格者数からすると、大卒者は増えているとはいえ、一番多いのは三ですね。http://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/siken05-02/dl/kangoshi_jyoukyou.pdf
同様に精神保健福祉士(法案は各自検索願います)も、僅差ではありますが、一で大卒よりも、専門学校ルートが上回っています。http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12205000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Seishinshougaihokenka/0000040126.pdf
余談ですが、大学卒と専門学校卒の合格率に差はないのですよね。

以上、事実の呈示でした。
これに対し、公認心理士はそうでないという事実の呈示、もしくは確度の高い推測の呈示が、このブログの読者のために必要かと思います。


さて、次のお話です。あ、その前に、今の書き込み、最後公認心理士になっていました。公認心理師ですね。
失礼しました。

「公認心理師法案の本文をお読み下さることを筆者としては切望いたしております。」というお話、大賛成です。
<自分たちの将来に関わることだから、人任せにしないでちゃんと読もうね>とわたくしも声を大にして言いたいです。

そこで、受験資格を見てみましょう。はい、第七条第一項です。

第七条 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
 一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(短期大学を除く。以下同じ。)において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業し、かつ、同法に基づく大学院において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めてその課程を修了した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者

あれ、第一項の文末に、その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者と書いてありますよ。そうすると、海外の大学院修了者は、ここに該当するのではという推測が成り立ちます。

そうでなく、第三項に該当するという理由をぜひ知りたいところです。また、第二項には、

学校教育法に基づく大学において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者であって、文部科学省令・厚生労働省令で定める施設において文部科学省令・厚生労働省令で定める期間以上第二条第一号から第三号までに掲げる行為の業務に従事したもの

とあります。これについて、管理人さんは「、(二)が学卒者でそれも、省令で定める施設で省令で定める期間以上、本法案に規定された業務に従事した者という限定的かつ難度の高いものであり、例外的な(おそらくは公務員心理職が該当)措置」と書かれています。括弧内の限定的の前までは、おっしゃる通り。「難度の高い」は何をもってそう言うのか微妙なところ(合格率?どうでしょう。さきほと、看護師、精神保健福祉士は大卒と専門学校で合格率率に差がないというデータをお示ししました。さて、公認心理師が成立した場合、大卒と大学院卒の差はいかに?)、「例外的(おそらくは公務員心理職が該当)な措置」は、根拠を示す必要がありますね。

このブログが「無責任な風説」にならないためにも、ぜひ、お示しいただきたいところです。

最後に、わたくしのように、現行の公認心理師法案には問題があり、修正が必要と考えている者の意見が書き込まれる可能性もふまえた上で、あえてそのような意見を排除しないようこのHPを作られた、管理人さんの姿勢に敬意を表します。

ブログ主さんの記事もそれを受けてのみかんまるさんのコメントも素晴らしいと思います

単に持論をごり押しするのでなく、このように
建設的に論が積み上がっていくことをこれからも期待しています

みかんまるさんのコメントについて
横から失礼致します。
ご自身の都合に合うデータだけを都合よく解釈しているように見えます。
そもそも看護師、精神保健福祉士の法律と公認心理師“法案”を比較して修正を正当化するのは無理があると思います。
当然、法律を作った時の方針や、法律通りに上手く運用出来ないことがあるため、政省令や通知などできめ細かく整えて行く必要があるということで問題ないと思われますし、公認心理師がメインルートの合格率に重きを置くのであれば法案成立後にしっかり作っていくことで良いと思われます。
メインルートというのは基本方針や理念のようなものと思われ、合格率だけで論じることは難しいという考えもあり得ます。
他職種についてメインルートとそうでないルートの合格率がそれほど違わないというのを、法律の不備・否定に結びつけるのは無理があり、無責任な風説に過ぎないだけでなく、既に活躍している他専門職を根幹(法律的根拠)から貶めていると捉えられる可能性もあり、素晴らしいとは思えません。
「看護師や精神保健福祉士は専門学校卒業者が多く問題があり、臨床心理士は大学院修了で素晴らしいから公認心理師もそうあるべき」と比較して言っているように聞こえて甚だ遺憾です。
現在の公認心理師法案の問題や修正の正当化のために、他職種の法律を取り上げる際は、もっと配慮していただきたいと思います。
ご自身は「そんなこと言っていない」と思わるかもしれませんが、そう見えている人はいることくらい、崇高でレヴェルの高い大学院修了の心理職なら想像出来ませんでしょうか?

みかんまるさんへ

横から失礼します。いくつか私の知るところをお伝えします。

まず、公認心理師法案において、第7条第1号「大学院修士修了」ルートが「メインルート」として構想されているという点についてです。

公認心理師法案は議員連盟が立案の主体となっています。その議員連盟の中心として法案作成に携わった議員の方々から、昨年6月の法案国会提出後に下記のように「大学院修士修了」がメインルートである旨のお話がありました。

2014年7月12日三団体主催「公認心理師法案実現のための説明集会」(三団体会談ホームページより)
河村建夫衆議院議員による基調講演
http://www.3dantai-kaidan.jp/activity/shukaimatome.html
(13分45秒あたりから「受験資格」の話、大学院について「これがメインだろう」との発言。)

2014年8月24日日本心理臨床学会第33回秋季大会「資格問題シンポジウム」(日心臨ホームページより)
加藤勝信衆議院議員「心理職の国家資格化の経緯と今後の課題」
http://www.ajcp.info/pdf/20140824.pdf
(4ページの中段あたりから受験資格の話。大学院について「メインで考えております」。)

法案の構想としては大学院がメインであることは、これらの議員の方々の話から明らかにされていますが、実際に大学院をメインにしていくためには、専門職集団が個々の業務においても組織として政治的にも非常に努力することが必要だと私は考えています。その点は、私自身のブログに書いている途中です。
ブログ「臨床心理職能メモ」:公認心理師法案の受験資格のこと②
http://piece-by-piece.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-1d06.html

専門職集団の努力という点で、みかんまるさんが指摘されている看護師団体の努力は本当に心から尊敬できるものがありますね。

みかんまるさんには以前にも別件で引用してお話した資料ですが、日本看護協会のホームページにある「保健師助産師看護師法60年史」の292ページ「進む大学教育と教員養成」を見ると看護師の大学教育がどのように進められて来たかがわかります。
http://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2009/hojyokan-60-6.pdf
保健師助産師看護師法が制定された昭和23年当時は、短大さえなかったけれども、この法律の第21条第1号、つまりメインルートのところに当初から「大学」と掲げられている意味は、「将来への期待として大学をイメージして」いたものだったと書かれています。2000年代に入って政策的に大学教育が進められ、296ページの表によれば、平成3年に11校だった四年制大学が平成20年には169校まで増加しています。

みかんまるさんがあげておられる通り、現在でも大学卒の合格者が一番多いわけではありません。しかし、大学卒者を増加させる努力は、60年以上の歳月をかけて、特にこの25年間はたいへんなスピードで進んでいると言えるでしょう。このひとつ上のコメントでメインルートというのは基本方針や理念と書いておられる方がありますが、看護師団体がゼロから出発してその理念を貫いている姿勢から学ぶことは大きいと思います。

さらに、看護師の場合は、人員不足ということがあり、日本全国で必要な人数を確保するために養成所が一定の役割を果たしているということもあると思います。これは、心理職と同じには語れない部分だと思います。また、看護師でも精神保健福祉士でも、いったん大学や短大の他の専攻を卒業してから再入学で専門職を目指す人も少なからずおられるでしょう。たとえば心理に国家資格がないことから、心理学部を出た後、精神保健福祉士の受験資格を一般養成施設で取得するというような場合です。

現在の臨床心理士は、大学院「のみ」で受験資格を取得できるので、教師や看護師など他の資格を持っている方々が大学院で臨床心理士の受験資格を取られるということもしばしば見聞きします。専門職の養成ルートというのは、単線的には考えられないものだということも注意が必要だと思います。

公認心理師法案に話を戻しますが、法案第7条の第3号が、海外留学などしている人に対する受験資格として構想されているということは、やはり、上記の河村議員、加藤議員の話の中にあります。

また、みかんまるさんが指摘されている第7条第1号の「その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者」について、上記の話の中で加藤議員は、他の学部を卒業してから公認心理師の受験資格を取得したい人が、心理学部をまるまる全部やり直す必要がないようにする配慮である旨を話されています。すなわち、この点では、公認心理師法案は、現在の臨床心理士の、心理学以外の学部を出た人にも門戸が開かれるという学際性の理念を踏襲していると言えるでしょう。

いずれにせよ、法律ができた後に、法律の内容を私たちの理念に近づけるためには、私たちの専門職集団が、建設的な議論を重ねながら、必要なところでは一致して要望を続けていくことが欠かせないと思われます。

第7条第2号の「大卒+実務」をどのように「難しい」ものにするかについても、近日中に私の個人ブログで私案を述べる予定にしております。またお読みいただき、コメント等いただければと思います。

皆様 熱いコメントありがとうございます。

この場での議論が公認心理師を作っていく上で有益なものになることを期待しております。

 今後も、よりよい公認心理師法案及び同法の省令が作り上げられていくためにこの
ブログが皆様の裨益になることを願っております。

まず,このような議論の場を提供してくださる管理人さんに感謝いたします。

さて,名無しさんのコメントについて。無理があるってどう無理があるの?どうして当然なの?わたくし「他職種についてメインルートとそうでないルートの合格率がそれほど違わないというのを、法律の不備・否定に結びつける」ことをしましたっけ?などと伺いたいところなのですが,あまり生産的な議論にならないような予感(感なので,はずれていたらごめんなさい。でも,はずれるほうを歓迎するかな)もするので,まあ,2点だけ書かせてください。
1.精神保健福祉士法をぜひ公認心理師法案と対照しながら読んでみてください。なにかお気づきになることはありませんか?
2.「看護師や精神保健福祉士は専門学校卒業者が多く問題があり、臨床心理士は大学院修了で素晴らしいから公認心理師もそうあるべき」と聞こえた名無しさんの中に,専門学校卒業者に対する上から目線があることにお気づきになっているでしょうか。

今井さんの書かれていることは,大部分が首肯できることです。ことに看護師団体の努力とその勝ち取ってきた過程は,仰るとおり,わたくしたちも学ぶところが大きいと思います。ただ,これは釈迦に説法かと思いますが,資格者数,社会の絶対的なニーズなどの点で大きな相違があり,このままモデルにできないところも多々あるかと。
また,議員さん達が話されることを鵜呑みにしてよいのか疑問です。法案が成立すれば,法律のロジックで進んでいきますので。わたくしは,他の資格法ではこのような記載は皆無である,第7条3項がとても気にかかってなりません。このあたり,法律家の見解を伺いたいところでもあります。


みかんまるさんへ

ご返信ありがとうございます。議員の方々は、このように、大学院がメインルートであり第7条第3号は外国の大学院を出た人などに向けての項目だと言っておられるわけなのですが、上にも書いた通り、私は、それを鵜呑みにしましょうと言っているのではありません。法律にはどんな場合にもそれをすり抜ける余地はあると思います。だから、私たちが自分たちの専門性にとって必要だと思うことを主張していくために、組織として力を持つ必要があると思います。看護師ほど大きい力を持つことが難しくても、私たちなりの力の持ち方があると思うのです。

国家資格を得ること、組織として力を持つこと、専門性を高めること、これらのことがどうすれば最善のバランスで行えるのか、臨床心理士の内外からたくさんの知恵が集められれば集められるほど良いと思います。

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