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2015年9月21日 (月)

臨床心理士会の性急な名称変更というネット情報への疑問

 
 臨床心理士会での公認心理師法成立を受け、臨床心理士会が公認心理師会に名称変更しようという話が出ているようである。これは、インターネットのSNSを通して、「9月26日の日本臨床心理士会の理事会で、臨床心理士会の公認心理師会への名称変更が議題にあがっている」という情報が伝わって来たものである。筆者は、当然であるが、その議案書なるものを目にしていないので、これは未確認情報としか言いようがないのだが、ネットで流布してしまい、大きい混乱が生じ始めていることから、応ブロとしても一言意見を述べておきたい。


 この名称変更に対しては、これまで公認心理師法を推進してきたグループの中からも、慎重あるいは反対の態度を取って来たグループの中からも戸惑い、もしくは反対という意見が出ている。


 確かに、公認心理師法が成立したばかりのこの時点で、もし万が一性急に臨床心理士会が上記のようなスタンスをとれば、大きい問題が生じかねない。
1)臨床心理士以外の心理職にとって納得がしにくいことであり、それは急に臨床心理士が公認心理師の中心になって、他の心理学を排除しようとしている裏切り行為と見なされる危険性があること
2)公認心理師法成立後に臨床心理士会が名称変更をするというような話は、成立前には公式には会から伝えられておらず、臨床心理士間でもコンセンサスがおそらく取れていないこと
この2点が問題である。

 もし、性急な名称変更が、外部の関係団体にも、内部の会員にも、十分な説明なく性急に行われるなら、公認心理師法成立まで牽引してきた臨床心理士会の理事は、急激に信用を失う可能性がありはしないか。まずぜひ、その真意を説明いただきたいところである。それが、公認心理師の未来にとって説得力のある理由であれば、多くの関係者は理解して協力することもできるであろう。


 ただ、施行までの時期は決まっているので、限られた時間の中で公認心理師法の具体的な内容をできるだけ整備しようとすれば、時間のかかり過ぎることはできないということは理解できる。


 そこで、応ブロ筆者個人の考える対案は、今まで、本法律成立を推進してきた各団体より人を出して公認心理師会設立協議会を作り、その団体が公認心理師会へと移行する暫定機関を作ってはどうかと思う。(その運営の中核は、国家資格推進のために最も労力を使って来た臨床心理士会が担うことがあって良いと思われる。)そうすれば、臨床心理士会以外の他団体から余計な疑念を持たれず、更には、臨床心理士の中でも公認心理師へと移行するまでの心理的な戸惑いを減らすことが出来るのではないかと思われる。


 公認心理師の船出にあたって、この大きい船の新しいキャプテンやクルーを、関係者の納得の上で配置することは、とても大切なことに思われる。

公認心理師を推進して来た方々のみならず、慎重や反対の行動をとって来られたみなさんも、ここで協議会を通した、合意による公認心理師会の設立にご協力いただき、よりよい資格を作って行きたいものである。


 公認心理師はオール心理学のものであって特定の心理学派や団体のものでない、心理職の基礎資格であり、さらに実践で臨床を行うためには専門資格(上位資格)である各学会等の認定資格と組み合わさって初めて臨床の資格になるということをもう一度、再認識することを皆さんに呼びかけたいと思う。

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コメント

応ブロの協議会案に賛成

協議会方式に賛成とのことありがとうございます。

当ブログを閲覧されている皆様、公認心理師法は成立し公布されました。
次は公認心理師を束ねていく職能団体をどう作って行くかの段階にあります。

当ブログのコメント欄で職能団体をどのように組み上げていくかについての
意見交換を行えればと思います。

 臨床心理士会や認定協会は、公認心理師にならない、あるいはなれない臨床心理士がいるだろうこと、その存在を忘れてはいけないと思います。
その人達は、あくまでも臨床心理士オンリーな訳で、臨床心理士資格を取得するために文科省の制度上で学費も払って指定大学院に行ったりした訳です。

もともと臨床心理士資格の創設期で指定大学院制度に乗らずに資格取得した方々のデメリットは少ないかもしれませんが…

資格取得したものの、就いた仕事が非常勤で常に臨床現場を探して求職中、しかも勤務先は臨床経験にカウントされないと判断されたりしたら最悪ですよね。

効率性を考えた場合、臨床心理士会を 心理士会などと名称変更し、会員種別を3通り(臨床心理士、公認心理師、両方持っている人)にして運営するのも良いかと思います。運営が大変かな。

>臨床心理士会や認定協会は、公認心理師にならない、あるいはなれない臨床心理士

ならない方はともかく、なれない臨床心理士を可能な限りゼロに出来るような制度になればいいかと
おもいます。

ただ、ならない方のために臨床心理士会と認定協会はその業務を存続させておく必要はあるかと思います。

>会員種別を3通り(臨床心理士、公認心理師、両方持っている人)にして運営

大変かもしれませんが、移行期間ではこのような形にしていくことも現実的解決かもしれませんね。

やはり従来の民間資格は活用した上で、それらをつなぎ合わせるベース部分である基礎資格としての公認心理師とした方が問題は少ないように思います。

従来の民間資格保有者は、怪しげでない資格限定で初期の移行期間に限り公認心理師資格も追認(あるいは数年単位での仮免許交付でもいいのかもしれません)することによって、一般からはダブルライセンスで判断してもらうことが可能ではないでしょうか。

おそらくいずれは、公認心理師取得のための六年間教育の実績があらわれ一定の評価がなされるであろうから、そのころにはほとんど意味なしと思われる民間資格(現状でもそのように見られているものは少なくない訳ですが)は消滅するかもしれませんし、公認心理師とのダブルライセンスが高価値であると見なされる民間資格に育て上げるかどうかは各民間資格団体の教育力と、今後の新規資格発行方針によるのかなと思います。

いい意味で独自性のある高付加価値を持つ民間資格として幾つかが育って行けば素晴らしいと思います。

コメントありがとうございます。

>従来の民間資格保有者は、怪しげでない資格限定で初期の移行期間に限り公認心理師資格も追認

そのあたりが落としどころなのではないかと思いますが、管理人個人としては可能な限り 学位(最低ラインを学士)の担保というところの基準も必要ではないかと存じます。

情けない。

臨床心理士会には、これまでプロの臨床家として日本の心理業界を引っ張ってきたという自負がまったく感じられません。

結局は業務独占(寡占)という利権みたいなものが中心課題だったかのようですね。

それに加えて、臨床心理士と公認心理師は別の資格だということすら理解できないほどの頭脳しか持ち合わせていない団体(臨床心理士会)だとしたら、基礎心理学など他の団体の方が(公認心理師会?の)主導権を握ってくれた方が、ロジカルでまともな運営をしてくれそうな気がします。

この現状は、臨床心理士の私からしたら残念でなりません。

コメント有り難うございます。

成立まで、なんとか来たとたんに急に迷走を日臨士会が始めたようで残念です。

迷走を止め、暫定移行団体へと話が進むように、説明会と意見交換の場を日臨士会が
行っていただけると良いのではないかと考えております。

事実なら本当に情けないです。

代議員会で決議されるなら、代議員の良識が疑われます。

さらに、このいきさつが国民に知れ渡れば、公認心理師という国家資格が、永遠に国民に信用されなくなる可能性すらあると考えます。

あまりに安易で恥ずかしくなりました。
「臨床心理士」以外の心理職の団体で、このような稚拙な論戦があるとは思えません。
「公認心理師」の資格はより難しくして、
一部の本当に優秀な心理職のみが取得できる上級資格になることを
あえて望みます。
司法試験クラスの困難さを求めます。
そうすると、スクールカウンセラーも現行の時給5000円から
準ずる3500円程度になり、社会的にみても妥当かと。
多分に自らの首を絞めてもいますが。。。

コメントありがとうございます
KPさん
>このいきさつが国民に知れ渡れば、公認心理師という国家資格が、
>永遠に国民に信用されなくなる可能性すらあると考えます。

急な名称変更をすることで上記のようなことが生じるであろう事を村瀬会長にはご認識いただければ
考えております。

空しい心理職さん
>「臨床心理士」以外の心理職の団体で、このような稚拙な論戦があるとは思えません。

おそらく、無いかと・・・それだけに、もう一度、村瀬体制の主な先生方には今一度、他の心理学団体
や会員の声に耳を傾けて欲しいと思います。

臨床心理士資格の認定協会や養成大学院はどうしようと考えているのでしょうかね。

全体に向けて今後の方向性について意見を求めるアンケートをするなりした方が良いのではないでしょうか。
まずは色々な意見を吸い上げてみることからしたらどうかなと思います。

個人的には、あくまでも公認心理師資格は基礎資格として、それに加えての資格としてプレミアム感をもたせられるように臨床心理士資格を育てて欲しいです。
学校心理士など他の資格も同様に頑張ってもらい、互いに切磋琢磨してレベルの高い業界に向かって欲しいものです。
そうなることが、怪しげな自称カウンセラーを衰退させることにもなり、社会にとって、サービス受益者にとって有益なことだと思います。

日本臨床心理士会の発表によれば、現在は名称変更こそないものの、今後の方向性として、公認心理師協会化していくということですよね。こんなことが事前に論議されずに決定されたなんて納得いきません。反対5票を押し切って、その場の多数決で決定なんておかしすぎます。

臨床心理士の消滅、公認心理師への発展的名称変更という考え方なんでしょうが、この考え方が圧倒的多数とは理解し難いですし、少なくともこんな大切なことについて議論がなされていないことは大問題であり、ことを急ぐのなら、急ぐ方々は臨床心理士会と別組織を作るべきではないでしょうか。(現臨床心理士会を退会という意味ではなく、別組織と併存という意味です。)

ぜひ大々的にお願いします。

日本士会は、あまりにもおかしすぎます。
「理事会で方向性が確認された」とのことですが、あまりにもおかしな方向性で合意されたということですので、
至急このおかしな動きにストップをかけるようお願いします。


>
>
実践で臨床を行うためには専門資格(上位資格)である各学会等の認定資格と組み合わさって初めて臨床の資格になるということをもう一度、再認識することを皆さんに呼びかけたい
>

>臨床心理士資格の認定協会や養成大学院はどうしようと考えているのでしょうかね

仄聞するとことではなにも考えていないとのことです。

>個人的には、あくまでも公認心理師資格は基礎資格として、それに加えての資格としてプレミアム感を
>もたせられるように臨床心理士資格を育てて欲しいです

非常に良い考えで、その方向で行ければよいかと存じます。


>今後の方向性として、公認心理師協会化していくということですよね。こんなことが事前に
>論議されずに決定されたなんて納得いきません

臨床心理士会を残して、新団体設立という方向がいいとおもいます。ただ、中核にいままでの経緯上、臨床心理士会が就かざる得ない面もありますね。悩ましいところです。

>「理事会で方向性が確認された」
決定は代議員会なので、代議員会で議論されるように働きかけが重要かもしれませんね。


臨床心理士資格を創設した際には、指定校を経由しての資格認定という流れが出来るまで(出来てしばらくの間も)学部卒だろうがなんだろうが認定してきたと思います。

今、公認心理師が出来るときこそ、そのときを思い出し、今後の臨床心理士は博士号取得ルートを基本線とするなど、よりハイレベルなものにするべきだと思います。もちろん、その際には、これまでの修士の方、学部の方はそのままで良いでしょう。

とにかく、臨床心理士が、公認心理師に吸収、集約されてしまうことは絶対に避けて欲しいです。
そうでなければ、これまでは他の他の民間資格よりも強いといわれてきた臨床心理士は没落していき、他の雑多な民間資格に埋もれてしまうでしょう。存在そのものがなくなるのかもしれませんね。

名称変更問題もですが、幹部による勝手な数千万円単位の寄付金問題も一体どうなっているのでしょうか。ある県士会はこの先行き不透明なタイミングで法人化するというそうで、わざわざ臨時会を人が集まらない師走の平日に設定して委任状で逃げ切る計画だとか。

 臨床心理士資格認定協会が有資格者に文書を発送したようですね。

 公認心理師とは共存しつつも、独自の別資格として臨床心理士資格を堅持する、当たり前ですが良い表面だと思います。

 多額の寄付金問題も含めて、日本臨床心理士会の迷走に対してはどうしたら良いのでしょうかね。

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